2012年6月アーカイブ

すっかり日本の生活が板についてきました。最近は短期のお仕事をいただいて、あるシステム開発の現場で今日まで毎日働いていました。色々忙しく、久しぶりの更新になってしまいました。カナダから帰国したばかりとあって、それぞれの国の仕事環境の違いに改めて気づく事が多く、慣れ親しんだ日本の環境なのに逆に新鮮に思うこともあります。今日はそんな日本とカナダの仕事環境の違いを書きたいと思います。これは前回少しお伝えした「日本とカナダ」をテーマにした記事の第一回となります。カナダと言ってもカナダで働いていた会社は一社のみなので、偏った意見になるかもしれませんが、あしからず。

歓迎会は仕事の内
歓迎会や送別会があるのは同じです。やはりカナダでもこういった時はみんなで近くのパブに行ったりします。ただ一つ異なるのは、業務時間内にやること。日本だと7時や8時くらいからどこかの居酒屋で、、、って事が多いですが、向こうでは3時からとか業務時間中にやるのが基本でした。パブに行かなくても、デリバリーのビザを頼んだりして、みんなでランチを一緒になんてこともあります。ランチとはいえ、常にオフィスの冷蔵庫にビールが常備されているので、飲み始めちゃう人もいます(笑) 勤め先ではあるカナダのビザのチェーン店と懇意にしていたので、特に理由がなくとも月に数回会社がみんなでランチにピザを食べることもよくありました。

フランクな付き合い
上司と部下、先輩と後輩、発注先と受注先と様々な人間関係がありますが、日本ではより円滑にするため敬語や上座・下座などの礼儀作法をわきまえる必要があります。しかし、カナダでは全くないとは言わないものの、日本と比べると非常にフランクな付き合い方でした。メールでは「Dear Mr. Shinya,」のようには書きません。「Hi Shinya,」や「Hey Shinya,」といった友人へ送るのと同じような言い回しをしていました。また、元々頭を下げるような文化もないため、会ったらまず握手、女性だと軽くハグしたりと挨拶は誰とでもいつも同じやり方です。それでも、全くそういった礼儀作法がないというわけではありません。説明するのは難しいのですが、「敬意」を細かな言動でしっかり示していたように思います。例えば、若いエンジニアがシニアエンジニアに何か質問している時でも「あなたの方が経験もスキルもあるので僕は間違っているかもしれない。しかし、僕はこうしたほうが良い思うんだけど、どう?」のように実際に言葉で敬意を示していました。これは「礼儀」だけでなく色んな部分で言えることですが、「作法」のように標準化するのではなく、各々が自分のやり方で敬意を示すべき人に敬意を示すという文化であるように思います。でも「レディファースト」はかなり徹底されていたかも。

遅延証明書
電車遅延等で会社に遅刻した際に提出する遅延証明書。日本では大きな会社になればなるほど必要になってくるのかなと思います。トロントではTTCという地下鉄が走っていて、やはり遅れる事もしばしばありました。しかし、どの駅でも遅延証明書のようなものを配っているのを見たことがありません。僕が勤めた会社は小さいせいもありますが、そもそも出社や退社の時間も管理されていませんでした。11時までに出社すれば良く、それ以降になるなら連絡する程度で、逆にもし早く出社していれば、早く退社することも可能でした。

飲みニケーション
「最近の若者は〜」という話題に必ずと言っていいほど登場する「飲みニケーション」。おそらく日本で悪く言われているのは、あまり好かない上司や同僚と一緒に「飲みに行くこと」だと思うのですが、カナダではあまりそういった人達と飲みに行くことはないように思います。先に書いたように元々フランクな付き合いなので、プライベートで好かない人と飲みに行かないように、職場の人とも飲みに行くことを強制されたことはありません。歓迎会や送別会も業務時間内に行われるので、それは強制というか仕事です。ま、僕は飲むのが好きなので、強制も強制とは思わないんですが(笑) といっても同僚と全く飲まなかったわけではありません。僕の職場は飲むのが好きな社員が多かったので、週一または二週に一回程度で仕事終わりや、週末にみんなで飲みに行ってました。これは僕にとっては非常に良かったことで、カナダの事を知ったり、英語力の向上にも繋がったと思います。個人的には「飲みニケーション」大歓迎です。

開発オフィス
職場はガラス張りの見通しの良いオフィスでした。デスクも広く、日本だとそのデスク2つで3人が使えそうな広さです。椅子代わりにもなるカラフルなクッションがところどころにあったり、卓球台やテーブルホッケー台、さらにWiiなどのゲーム機もあって、まさに海外のIT企業のオフィスのようでした。職場のWiiでスクリーンを使ってマリオパーティをやったときは、見慣れた日本のゲームを様々な国の人とカナダでやってると思うとなんだか不思議な気分になりました。ちなみに「ヨッシー」は「Yoshi」で日本だと洋風の名前ですが、海外だと和風の名前なんです。また、IT業界だとAppleやGoogleのイベントなどが有名で、それらのイベントをオフィスのテレビでみんなで見たりすることもあって、エンジニアとしては本当に刺激的なオフィスだったと思います。今年のWWDCには何人かの同僚も参加したそうで、IT業界においてのトレンドな話題がより身近に感じます。

スポーツ
会社で季節ごとに何かしらスポーツチームを組んで、みんなでスポーツをしていました。夏はビーチバレー、冬は屋内でアルティメットフリスビーという競技でした。トロントの人々は本当に体を動かすのが好きで、こういったチームスポーツをする機会が非常に多いです。定期的に体育館やビーチでアマチュアのスポーツリーグを開催していて、気軽に参加出来ます。僕の会社でもこういったスポーツリーグに参加していて、仕事終わりに自由参加で毎週試合をしていました。アメフトをフリスビーでやるようなスポーツの「アルティメットフリスビー」は日本にいたら絶対にプレーすることがなかったので、貴重な体験が出来ました。これらのスポーツをプレーしたお陰でこういう時に使う英語の言い回しも知ることが出来ました。「Over」、「I got it」、「Good try」、「Good game」 とか。

イベント
僕が勤めた会社が特別だったのかもしれませんが、様々なイベントがありました。特にハロウィンとクリスマスです。この二つは北米でかなり重要なイベントなのですが、僕の会社もみんなで楽しみました。ハロウィンでは、みんな仮装して出社するよう通達され、オフィスで仮装パーティが開催されました。当時話題だったキャプテン・アメリカの気合の入った仮装やロビンフッドのような仮装など、皆が「仮装」という感じで欧米人のイベント事に対するノリの良さを垣間見えました。ハロウィンの定番はカボチャの装飾ですが、カボチャの刳り抜き方の手際の良さなど、彼らのカボチャの装飾技術は興味深かったです。クリスマスではオフィスでプレゼント交換会をやったり、年末ということで、ホリデーパーティ(いわゆる忘年会)が開催されました。少し高級そうなステーキハウスでディナーを楽しみ、ホテルに併設されたナイトクラブでブースを一つ貸切り、ダンスを楽しむというものでした。社員総出でナイトクラブに行くなんて、日本だと考えられません。「部下は大いに飲んで騒げ!」、「ボスは部下のめんどうを必ず見ること!」というのがホリデーパーティのルールで、僕は色々あって、ナイトクラブで一人追い出されるハメになったんですが、同僚のシニアエンジニアが自宅まで送り届けてくれました(汗) その後、「ミスターホリデーパーティ」と言われたのはいい思い出です。

日本でもこれまでソフトウェア開発に携わる中でプロジェクト毎に出向する会社が変わったため、沢山の職場を見てきました。しかし、国も違えば、職場の雰囲気や環境も全く違いました。なんとなく、日本はONがOFFに入り込んでくる、カナダではOFFがONに入り込んでくるような印象を受けました。仕事至上かプライベート至上かの違いです。こういった事を知り、経験出来たのも、カナダに来たお陰です。百聞は一見にしかず。

じゃ、またー

 

PROFILE

Shinya Hasegawa
神奈川生まれ30歳。
8年目ITエンジニアです。
2011年2月よりカナダにて
ITエンジニアとしての
世界進出に挑戦中!
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