今週から仕事が始まった。毎日が英語と新技術の嵐の中にいるよう。カナダの
開発現場に飛び込んで、早くも様々な違いに驚かされてばかり。モバイル
アプリケーションというトレンド市場というのも相まって日々が電光石火の如く
過ぎて行く。たった一週間にもかかわらず、職場について書きたいことは山ほど
あるけど、まずはそんな職場にどうやって潜り込むことが出来たかを書きたいと思う。
ジョブエントリはcraigslistから行った。以前のエントリでも紹介した北米最大の
クラシファイドサイト。今回の就職出来たプロセスはカナダでの正攻法
craigslistからメールによるジョブエントリ後、2回のインタビューを経て、
就職が決まった。電話インタビューはなくて、いきなり対面インタビューだった。
一次インタビュー
インタビュアーはリクルーターの女性と技術責任者の男性の2名。インタビューに
あたり、事前にリクルーターの女性とメールのやり取りをしていて、名前から男性
だと勘違いして"Mr."を付けて送信していた事を謝罪するところから始めた(苦笑)。
質問をされた内容を紹介。
<質問>
-経歴やこれまでのプロジェクトについて説明してください。
-あなたはどのような性格ですか。
-Macでの開発経験はあるか。
-HTML5やCSS3を使用した開発経験はありますか、また何を知っていますか。
-iOSやAndroid SDKを使用した開発経験はありますか、また何を知っていますか。
-jQueryを使用した開発経験はありますか、また何を知っていますか。
-IT関連の情報をどうやって入手していますか。
-モバイルアプリケーションの未来はどうなると思いますか。
-"EASTERN EAST"から各文字の出現数をカウントする処理を説明してください。
※出現数カウントの対象文字列は仮です。実際は会社名でした。
モバイルアプリケーションを開発している会社なので、やはりiOSやandroid SDKに
ついての質問があった。僕もそれはわかっていたので、自分の経歴を説明する時には
androidやBlackberryで使用されているJavaの経験、またGoogle関連ということで
GAEについての経験を話した。また最後の質問がデベロッパーらしく、プログラム
処理についての質問だった。幸い技術責任者の方が理解してくれたものの、紙とペン
を渡されたのに、僕は口頭で答えてしまったよ(笑)。Java前提でMapを使用した処理
を思い描いて説明した。
一次インタビューの結果はその場で判明し、最終インタビューに行くことが決まった。
これまで一度もインタビューをパスしたことがなかったので、帰り道で思わず
ガッツポーズしたのを覚えてる。インタビュー後もお礼のメールを忘れず送った。
最終インタビュー
インタビュアーはPresidentの女性とCEOの男性の二人だった。日本の最終面接
というと、ほぼ内定が決まっていること多いと思う。しかし今回は一次面接以上に
タフな面接だった。技術質問のラッシュ、、、
<質問>
-CSSでselectorとはなんでしょうか。
-iOSについてどう感じますか。また何が難しいですか。
-過去にjQueryをどのように使用しましたか。
-メモリ不足を解消するため、どのような実装を心がけていますか。
-Google Mapsのような地図システムを使って、どのように現在地を取得しますか。
-新しい技術の習得にどのくらいの期間を要しますか。
-短いと2週間単位でプロジェクトが切り替わります。そのような状況は大丈夫ですか。
-納期間近になると残業や土日出社もありえますが大丈夫ですか。
-希望の給料はいくらですか。
-いつから就業が可能ですか。
-VISAはいつまで有効ですか。
最終インタビューとはいえ、技術的に突っ込んだ質問が多かった。地図システムを
扱った現在地取得処理の質問意図は現在地周辺の情報の他に、さらに表示外の情報を
キャッシュすることに気づくかどうかにあったそう。そのへんにモバイルアプリケー
ションらしさを感じたよ。また給料については最低額としてこちらの大卒の初任給
程度を提示した。
結果は当日リクルーターの方から"You did good on the interview. CEO will
contact you and will give you the offer."なるメールをいただき、翌日CEOから
正式にオファーをいただいた。
回答パターン
こうしてついに就職すること出来たわけだけど、インタビューをこなしていくうちに
いくつかの回答パターンが出来た。
-経験のない技術について質問されたとき
"I don't have the experience to develop using something. But I can do it
because almost developers have to search something they don't know."
要はやったことないけど出来る。だってデベロッパーって知らないことを
調べるの普通でしょ。って言う。
-納期間近のソフトウェア開発の長時間労働について質問されたとき
"Sure. I worked for Software companies in Japan for seven years. You know.
It is common in Japan. So I am Japanese and I finished marathon
then I run 42.195km. I am so tough!"
長時間労働は日本も同じ。そして僕は日本人。しかもマラソンを完走したことも
あるくらいタフ。って言う。
このような回答パターンを駆使して仕事をゲットした。これが僕の唯一の成功例。
やはり数をこなすことが大事だと思う。初めは電話インタビューでさえ答えられない
ことが多かった。しかし、数をこなしてくうちにたとえ全てを聞き取れなくても
相手が何を言ってるかを予測出来るようになってきた。そして質問内容の言い回し
は違えど、似通っているのでスムーズに答えられるようになった。とはいえ、たまに
本当に質問内容がわからないときがあった。その時はひたすら感覚でしゃべって、
相手がうなずいたり、反応したらその話題を集中的に話すようなことを
やったりした(笑)。
ジョブエントリ企業
そしてジョブエントリする会社も少しづつ変えていった。初めはcraigslistから
"Java toronto"で検索ヒットした会社に徹底的にメールを送信してた。しかし、
後半になってJavaだけでなくWebサイト構築などの仕事も含めるため、検索は使わず
"software / qa / dba"、"web / info design"カテゴリの仕事を探すようになった。
"toronto"で検索してしまうと"GTA"(Great Toronto Area)の仕事が除外されること
にも気づいたしね。これはトロントのダウンタウンの意味。ちなみにジョブエントリ
はメールでレジュメと共にカバーレターを書いて送信するのが一般的。カバーレター
とはメールの本文に自分のことを説明した部分のこと。下記は僕のカバーレターを
含めた実際のメール本文。僕のカバーレターはすごく簡単なもの。
===============================================
Hi, my name is Shinya Hasegawa, I am a Japanese Software Engineer living
in Toronto. I am enrolled at the XXXX Language School and will be a student
until April. I have a Working Holiday visa until Feb 2012. I am looking to find
a job in Toronto to use my English and professional skills and I am interested
in developing my skills with a Canadian company.
I am especially interested in your job. I have attached my resume to this email
and would love to speak further in an interview.
Thank you for your time and consideration in reading my email.
I look forward to hearing from your shortly.
Sincerely,
===============================================
インタビューではいつも自分のことを盛って話した。お陰で入社早々いきなり
android Widgetの開発を独りですることになった(苦笑)。しかも納期が今月。。。
日々英語に囲まれて、androidという新たな技術に挑戦している最中。何事も
最初の1ヶ月が肝心。この仕事をキッチリこなしてやっとこの会社の一員。頑張るぞ。
写真は近くの大きな公園にて。ノンアルコールなお花見したよ。
じゃ、またー
記事を見る限りでは、VISAや言葉の問題以外は、日本の中途採用の就活とあんま変わらないんだね。
モバイル系だとメモリやキャッシュをどう活かすのか、というのを重視するのかな?
Sakaiコメントさんきゅ
だいたいの流れは日本と一緒だな。
違うのはエントリーフォームや履歴書といった
決まったレイアウトがないところかな。
応募するときはレジュメを添付したメールだったし。
実際のとこ日本で中途採用を経験したことがないんだが、
IT業界でよくあるプロジェクトごとの人員補充のときの
面接(アウトソースする場合など)ではプログラム処理まで
質問される(した)ことなかったな。これは勉強になった。
もし自分が面接官になるときがきたら使おうと思う。
メモリとキャッシュはWeb系のアプリでも重視するけど、
モバイルアプリだと特にリソースが限られてるからなー
俺のキャリアでもモバイルは未開拓の分野なんで、要勉強だ。
やっぱり文化も違うのね。
俺は研究費申請をたまに出すけど、日本だと書式厳守が基本。しかしアメリカなんかは用紙サイズしか決まってなくて、A4に好きなことを好きなレイアウトで書けるらしい。
履歴書も一緒か。
人種と男女問題があるから写真と性別の記載も無いんだろ?
異文化交流が盛んな国はすごいよな。
http://quintcareers.com/resume_sample_3.html
こんなのが一般的らしいし。
学位がBachelorだから大卒。んでExperienceとして
Computer Lab Manager
と書ける神経がすごいよ
日本の大学3~4年生でこんなこと書くやつは聞いたことがない
そうだな。
会社によるかもしれないけど、仕様書は必要か尋ねたら
作りたかったら作ってって言われたぞ。
レイアウトどころか作るかどうかも自由だった(笑)
確かにレジュメには顔写真も性別も年齢も記載しなかったな。
面接でも年齢は聞かれなかった。ちなみにこれは俺のレジュメ。
http://eastern-east.com/2011/03/post-19.html
異文化といえば、語学学校で初対面のときの話題のタブーは年齢、政治と宗教
だって言われた。ウケるのはブラジル人の場合は加えて好きなサッカーチーム
だってさ(笑)。日本では年齢以外、全然意識してなかったよ。
やっぱりこっちでは経験が全て。
一緒に入社したやつは今年の夏卒業予定の学生で無給インターンだからな。
無給でも経験を積みたいんだって。入社も人づてだって言うし。
なんでレジュメに強気で書くのは当然なんだと思う。